“再生 PLAY”

2020/12/17(木) 19:00 江東文化センターホール
2020.12.20 (土) 19:00 オンライン配信 Online Concert (ツイキャス) 
演奏 Chamber Orchestra NEO 
指揮 田中元樹 Motoki Tanaka, Conductor 
企画&プロデュース NeoClassical Collective

「再生」とは、生きかえることや、生まれかわること意味する言葉です。
また、廃れてしまったものを原料として新たなものを生み出すという意味もあります。本公演のプログラムの作品たちは、昔の作品からインスピレーションをもらったり、古いとされていた様式から、新たな音楽を創り出そうとしたものばかりです。皆さんが普段、音楽プレイヤーで音楽を聴く時に押すボタンも、「再生」ボタンと呼びますが、元々は、生演奏の再現という意味で、新しい日本語として使われ始めたと言われています。選りすぐりの「再生」された音楽を、PLAYしました!

イーゴリ・フョードロヴィチ・ストラヴィンスキー ” 協奏曲変ホ長調「ダンバートン・オークス」” (1938)


「ダンバートン·オークス」を作曲していた頃、ストラヴィンスキーは、毎日、バッハのピアノ曲を弾いて、バッハの音楽の美しさ、作品としての素晴らしさに感動していました。
「ダンバートン·オークス」は、バッハのブランデンブル協奏曲の3番をモデルに作曲した、とストラヴィンスキーは語っています。
バッハは、いくつかの舞曲を組にして一つの作品に仕上げる「組曲」という作品をたくさん作曲した事でも知られています。

ちなみに、モーツァルトやハイドンが活躍した時代には、一つのコンサートで、協奏曲や交響曲だけでなく、ソロや室内楽の作品も演奏されていましたが、本公演でも、「2020年組曲」と題して、NeoClassical Collectiveの5人の演奏家達が、5つのソロ作品をお届けしました。
その中でも特筆したいのが、作曲家の松波匠太郎さんに委嘱した新曲、
「都節テトラコルドによる前奏曲~独奏ヴィオラのための~(2020) 」Prelude on Miyako-bushi Tetrachord for Solo Viola
の初演です。

www.shotaromatsunami.com

松波さんご本人に、作品についてのコメントを頂きました。
本作では自身の創作態度の一つであるナショナリズムが強めに現出されました。ヴィオラ特有の響きと哀愁は、時に邦楽で聴かれる艶を想起させます。
それらが創作の契機となった今回、ヨナ抜き音階をそのまま各所に用い、日本人ならではの折衷を試み書き進めていきました。


日本で、日本人作曲家によるヴィオラソロ曲の初演を、日本人ヴィオリストが演奏する珍しい機会となりました!

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン “交響曲第71番 変ロ長調” (1780)

アンコールは、武満徹作曲の「3つの映画音楽-N.3. ワルツ (「他人の顔」より)」 (1966)でした。